洋ランの失敗学
初めに
近年「失敗学」というのが提唱されています。洋ランをうまく育てるにも、失敗を研究することは役立ちます。枯れる、脇芽が親株並みに大きくならない、花が咲かない、が主な失敗です。またその原因や対策は意外に簡単です。
@(弱い種類は)日除け・雨除けを適切にする、防暑・防寒を適切にする
A(弱い種類は)適当な大きさの鉢に、適当な材料で、根腐れしにくい植え方をする。
B水やりを規則正しく、十分に行う
C植え替えはなるべくしない
この4点に気を付けるだけで、被害は大幅に減り、花が咲きやすくなります。
1 枯れる
ミニデンドロビウム−脱水症状−置き場所、鉢増し
症状:長生蘭(セッコク園芸種)や、デンドロビウムの高芽などの極小株を、デンドロビウムは直射日光に強いからと言って、真夏に日当たりの良い所に置いておくと、ミイラのようななって枯れてしまうことがあります。
ミニカトレヤ−脱水症状−@植え替えを控える、A生長を始めてから植え替える
症状:元気がなく、萎れて、枯れてしまいます
原因:初めから根腐れしている場合と、植え替えによる場合があります。丈夫でない種類の場合は、植え替えた後に根が吸水できなくなり、脱水症状を起こし、その結果新しい根を出すこともできない悪循環になって枯れてしまいます。
対策・予防:慣れないうちは、植え替えを控えます。植え替えする場合は、新しい根や脇芽が出てきてからにします。
パフィオペディルム−カビ−植え込み材料を無機質に
症状:パフィオペディルムは、葉の根元から茶色くなり、株全体が枯れることが良くあります。
原因:見ただけでは原因が良く分かりませんが、ミズゴケ植えや、バーク植えでは、根元付近に白くカビのようになっていることがあります。植え込み材料がやや低温・高湿度で、カビが生えやすくなると起きるようです。
対策・予防:鹿沼土のような無機質の植え込み材料を用いれば、減らすことができます。
コチョウラン−日焼け−置き場所に日よけ
症状:葉の強い日に当たった部分が黄色くなり、茶変して、落葉します。元々枚数が少なく、何枚も日焼けした場合は、枯れることがあります。
対策・予防:直射日光に当てないことです。屋外では明るい日陰に置くか、必ず半分以下の光量に日除けをします。室内の明るい所に1年中置くのも方法です。
コチョウラン−炭ソ病−雨除け
症状:葉に黒い点ができ、広がって全体が黄色くなり落葉する。他の葉や近くの株に伝染する。
原因:低温期に長雨に当たったりして、炭ソ病が発生します。
対策・予防:屋外では、軒下などに置き、夏以外は雨に当てないようにします。強い雨のときは雨の当たらない所に取り込みます。ずっと室内に置けば雨は当たりません。
コチョウラン−根腐れ−芯入り植え
コチョウランを入手すると、根が黒くなって根腐れしていることが良くあります。元気な根もあると、腐った根を取り除いて植え直すと助かることもあります。
コチョウラン−脱水症状−植え替えを避ける
症状:植え替えをすると、元気がなく萎れてきて、枯れる
原因:コチョウランは、高温期以外は根の活動が鈍っています。その時に植え替えをすると、水を吸うことができず、脱水症状となって、衰弱し、枯れてしまいます。
対策・予防:@慣れないうちは、植え替えを控えます。
A芯入り植えへの衣替え、ミズゴケ植えであれば、根鉢を崩さず、中心のミズゴケのみ抜いて、発泡スチロールの芯に置き換えます。
2 複茎種の脇芽が大きくならない、単茎種の新根や葉が出ないか大きくならない
枯れなくなった次の段階のつまずきは、花が咲かないことです。複茎種では毎年脇芽が出て、将来の花のもとになります。単茎種−コチョウランとバンダ類−は一般に高温期に元気になって開花します。年々脇芽が小さくなる、年々葉が小さくなる、というのが花が咲かないパターンです。
(1)複茎種の脇芽が大きくならない
洋ランの多くは複茎種と言って、親株の根元から、年々脇芽を出します。脇芽が出るのは秋から冬に花芽が出るのと同時か、花が終わって春の生長期に入ってからです。花は、脇芽が十分に大きくなった秋に付きますが、新しい脇芽に1回だけつくことが多いです。生産者の処で管理された株は、脇芽が年々大きくなったり、親株と同じ大きさに育ったりして、花が付いています。家庭で、冬から春の温度が低いと、脇芽が秋までに十分に大きくなれずに花が咲かないことがあります。
(2)単茎種の新根や葉が出ないか大きくならない
2009.9.1開始