本当に初めての洋ランの育て方
目からウロコの育て方
2008.11.2−

前書き
ランの育て方を知ろうと思って本やHPを見ると、殆どが洋ランと東洋ランと別になっています。
さらに洋ランでは、全体を書いたものは殆どなくて、中身は属ごとに分かれています。
初めての人は何という名前かも分からないかも知れません。一般の人は色々なランを一緒に育てるのが普通です。
なるべく属別でなく、「ラン」の育て方・楽しみ方について紹介してきたいと思います。(08.11.2)
ここでは、本当に初めての人でも分かるように心がけて、必須の世話だけを、入手後の順を追って説明しました。
以下のことに気をつければ、これまでより簡単に、多くの種類を楽しめると思います。
特に、入手鉢の衣替えは根腐れ予防に、芽掻きは花を咲かせるのに、効果があります。
初めは「易しい種類」とした、シンビジウム・デンドロビウム・オンシジウム・エピデンドラム・長生蘭・セイヨウフウランとジゴペタラムまでを想定しています。コチョウラン・カトレヤ・パフィオペデキルム・バンダなどは除いています。

目次
1.苗の入手と見分け方−易しい種類を易しい季節に
2.置き場所−なるべく全部同じ場所に
3.入手鉢の衣替え−根腐れ予防に鉢底穴あけと透明ポット
4.水やり−全部同時に、4日から1週間毎に
5.肥料−春に化成肥料の置き肥を
6.鉢増し
7.芽掻き−花を咲かせるために
8.病虫害−消毒は梅雨入り前と秋の取り込み前に一斉に
9.秋の室内取り込み−高温種から
10.春の屋外取り出し
11.植え替え−するかしないか

その他
2.ランの楽しみ12か月−1年中花と暮らす
4.透明ポットに植える−、中抜き、穴を開ける
10.株分け
色々なランと世話


以下にはそれぞれのあらましがあり、詳しいことはリンク先ページにあります。

あらまし
1.苗の入手と見分け方−易しい種類を易しい季節に
初めての蘭の入手には2通りの方法があります。一つは(1)自分で好きな種類を園芸店などで選んで購入する場合です。また、(2)知り合いの人から育てている苗を分けて貰ったり贈り物で戴いたりする場合です。蘭は気候の異なる広い地域に生えているため、種類によって育てやすさに差があります。自分で入手する場合には、なるべく易しい種類を易しい時期に入手するのが安全です。一方、いただく場合には、どんな種類か分からないことがあり、必ずしも易しい種類でないこともあります。
@自分で選ぶ場合
園芸店に行くと、1年中何かの洋ランの開花苗が並んでいます。
親切な本にはどんな苗を選ぶと良いかがが書いてあります。
けれども大事なのは何の苗を選ぶか!です。
栽培書のように、育て方を種類ごとに考える必要はありませんが、易しいものであるかどうかを知るためには、種類についての知識は必要です。
初めの内は易しい種類を易しい季節に入手するのが安全です。
このHPでは多くのランの種類を、易しい種類と難しい種類に分けています。枯らしたくなければ初めは易しい種類だけを育てる方が賢明です。
(1)最も易しい種類
シンビジウムとデンドロビウムが最も丈夫で最も易しく花を咲かせられます。
(i)シンビジウムは軽石主体で植えられ同じ株が何年も維持されていることから分かるように、初めての人に最も安全な洋ランと言えるでしょう。
中でも、熱帯産の大型種よりは、(a)シンビジウムの小型種は熱帯産と東洋ランの金稜辺と呼ばれる種類との交配種で寒さに強く栽培しやすくなっています。
シンビジウムの仲間の和蘭の(b)春蘭は、我が国に自生しているので気候の点では最も栽培しやすいと言えます。
古典園芸の春蘭は一般の人には馴染みがありませんが、野生の春蘭は露地植えや鉢植えで多くの人に栽培されてきたことから、易しいと言えます。
(ii)デンドロビウムの中では、主流でない(a)キンギアナム大明セッコク(いずれもオーストラリア産)が、普通の培養土植えで露地栽培で同じく何年も育てられているのを見かけます。
デンドロビウムの仲間の和蘭、古典園芸の(b)セッコク=長生蘭は一般には馴染みがありませんが、野生のセッコクは昔から一般の人も栽培してきたことからも分かるように難しくありません。
園芸店で良く見かけるデンドロビウムは、ミズゴケかバーク植えで普通の花とは違いますが、そのような洋ランの中では寒さや病気に近い点では一番です。
特に熱帯産の(c)デンドロビウムとセッコクの交配種は小型で、寒さや病虫害に強く、花も咲かせやすいので初心者向きです。
以上が、ラン栽培を始めるのに最も適した種類です。
Aいただく場合
育てていた種類を分けていただいたなどで、ランを栽培しているけれど、何という種類かもわからないとか、何年も育てているけど花が咲かないという場合は、以上の種類のうち、春蘭・キンギアナム類やシンビジウムの大型種のことが多いでしょう。
以下の写真や、「今月のラン」にある、易しい種類の説明から、何という種類かを調べておくとよいでしょう。
  
シンビジウム小型種(東洋ラン交配種)             春蘭
   
デンドロビウム キンギアナム      大明セッコク        長生蘭             セッコク交配種

また、これらの種類は春に親株の元から芽と根を出して秋までに生長し冬から春に咲くので、春に入手して始めるのが最適です。
区分08.11.27
(2)次に易しい種類
これ以外の易しい種類は、洋ランとしては最も多く栽培されているシンビジウムの普通種(大型種)、デンドロビウムの普通種です。
これらが易しい種類であるのは、
@温帯産の血が入っていて我が国の気候に合っている、特に熱帯産と違って冬の寒さに耐えられる、
A洋ランにはコチョウランなど直射日光では日焼けしてしまう種類が多いが、これらは直射日光に耐えられるので、置き場所を選ばない
B病気にかかりにくい
からです。
 
シンビジウム 大型種    デンドロビウム大型種
(3)熱帯産系で易しい種類
熱帯産の中でも、寒さに比較的強く、直射日光にも耐えられる種類があり、そうでない種類よりは栽培しやすいです。
アメリカ大陸産のオンシジウム・エピデンドラムと、ミニデンファレ、ちょっと変わったところでバンダと和蘭のフウランの交配種セイヨウフウランはなどです。
この他に、ジゴペタラムやセロジネなど、比較的易しいと思われる種類はまだあります。
    
オンシジウム        エピデンドルム             西洋フウラン     ミニデンファレ

ジゴペタラム

これらについては2.ランの楽しみ12か月に書いてあります。
夏から秋に咲く丈夫な種類はその時期に入手して始めることになります。
色々な季節に花の咲く種類を集めると、1年中花を楽しめます。

アジア産の洋ラン・東洋蘭・和蘭とその交配種、緑は丈夫で易しい種類

熱帯産など交配種東洋蘭和蘭
シンビジウム大型種小型種(金稜辺交配) 春蘭
金稜辺
寒蘭
恵蘭
報才蘭
春蘭
寒蘭
デンドロビウム デンドロビウム・ノビル
デンファレ
キンギアナム
セッコク交配種
セッコク(長生蘭)
パフィオペディルム


熊谷草
バンダ バンダ
アスコセンダ
西洋フウラン
(アスコフィネティア)

風蘭(富貴蘭)
コチョウラン

満天紅
覆輪葉

12.2表追加

2.置き場所−春から秋は日の当たる屋外で、冬は屋内で、全部同じ所に置く
ランを入手したらまず考えなくてはならないのは置き場所です。
洋ランは普通の植物のように、屋外の日向に一年中置いておくことができません。
洋ランは日焼けと寒さに弱い種類が多いです。
(1)直射日光と寒さに強い種類
易しい種類とした物は、抵抗力があるので、直射日光が当たってもほぼ大丈夫です。
難しいとした種類はこれらに対する抵抗力が弱いです。
温度についてはシンビジウムやデンドロビウムは、最低5℃程度までは屋外に置いても大丈夫です。
それ以外も育てる場合:
洋ランの入門書を読んでも実行できないことの一つに置き場所があります。
置き場所を決めるのは、主に遮光と温度でしょう。
遮光については、シンビジウムは直射日光で大丈夫、カトレヤは30%遮光、胡蝶蘭は50%遮光などとあります。
家庭で1株ずつ育てている時にそのようなことは不可能です。
温度についても、特に冬の最低温度を胡蝶蘭やバンダは15℃以上、カトレヤは10℃以上、シンビジウムは5℃以上などと最低3段階に分けられています。
大抵の人は、同じ部屋に置いている訳ですから、このような分け方は現実離れしています。
植物に環境に合わせてもらうしかありません。
直射日光に耐えられる、シンビジウム・デンドロビウムは日射に関しては安全な方です。
これらは、大体、日の当たる場所に置いても大丈夫です。(真夏の猛暑期を除く)
これらは寒さにも強いので冬も人と一緒なら大丈夫です。また、花を咲かせやすいです。
デンドロビウムの仲間のせっこく(長生蘭)やバンダの仲間の風蘭、シンビジウムの仲間の春蘭や報才蘭もお勧めです。
具体的には、春から秋の屋外では日当たりの良いテラスなどに、鉢ケースなどを置いて、その上に鉢を並べます。
(2)直射日光と寒さにやや弱い種類
易しい種類の中にも、直射日光では日焼けの可能性があり、熱帯産で寒さにやや弱い種類があります。
オンシジウムやエピデンドラムはそばに低い木でもあれば、その元に陰になるように置けば大丈夫です。(真夏はちょっと危険)
寒い冬の間は、居間の中で南の日当たりの良い所に日射に強い順に並べるか、カーテンを引いておきます。詳しくは置き場所に。
 
秋深く、日当たりの良いテラスに置く、前面にデンドロ・シンビ・エピデン・フウラン、長生蘭、
木の下にオンシ・ジゴペタ、シンビの後ろにミニカトレヤ
(3)直射日光や寒さに弱い種類
日焼けしやすい種類、コチョウランや、カトレヤ、パフィオペディルムに手を出すのは少し後にした方が安全です。
寒さに弱い種類、コチョウランや、バンダは少し後にした方が安全です。
     
左:春から秋まで、直射日光にさらされない棚。 棚上のシンビから、最も下のパフィオまで。中:日差しの強い時は遮光。


日光直射・ほぼ直射やや遮光日陰
冬高温
(10℃以上)
デンファレ
バンダ
カトレヤコチョウラン
冬中温
(7℃以上)
オンシジウム・エピデンドラム
ミニデンファレ
ミニカトレヤパフィオ斑入り葉
冬低温
(5℃以上)
シンビジウム・春蘭
デンドロビウム・キンギ系・長生蘭
西洋フウラン
ジゴペタラム・セロジネ
パフィオ青葉

直射可の下線種も、真夏は西日を避ける
ほぼ直射は、真昼と真夏はやや陰にする
遮光以降は、直射では短時間でも日焼けする

3.入手苗の衣替え
花つき苗の鉢植えを購入した場合は、そのままにして置くのは危険です。
そこで、蘭を入手すると植え替えなくてはならないと思いがちです。
しかし、難しい種類は植え替えしない方が良いこともあります。
以下の処置をすることにより、根腐れを予防し、水やりを易しくしましょう。
(1)寄せ植え鉢の分解 鉢底近くの穴あけ
特に胡蝶蘭で言われることですが、生産者自身が、
「出荷される胡蝶蘭は、3株のポットを一つの鉢に押し込んでいるため根が傷んでおり、
乾きにくくもなっているので、買ったら鉢から出し1株ずつにすると共に、
植え替える必要がある」と述べていることが良くあります。
ミニサイズ以外の洋ラン、デンドロビウムやオンシジウム、を入手すると、1株ずつ植えた鉢が数個並べてきれいな鉢に入っていることが多いです。
それぞれの株はポリエチレンのポットに植わっていることが多いです。
寄せ植えになっている場合は、大鉢から出してやります。
1株ずつのポットの状態で世話をする必要があります。
 
左:透明ポット植えを3個厚手の塗り大鉢に入れ、上からミズゴケを被せた例、コチョウランの 右:取り出したところ、下の1鉢はもう枯れている

しかも、花と支柱がぐらつかないように、ミズゴケを固くつめてあるようです。
(2)ポットの底近くに横穴を開ける
根痛みしていなくても、生産者の温室で乾きやすかった鉢は、
家庭で屋外や室内で育てるには乾きを良くした方が安全です。
そこで、対策として、苗を入手したら、根腐れの元になりやすい、
根元や鉢底を乾きやすくすることを考えました。
鉢に水をやると、表面から下に向かって徐々に乾いていきます。従って、底の方は最後まで湿っています。
特に水やりが多すぎて、低温で乾きが遅かったり、株に元気がなくて吸水が少ないと、長い間底近くが過湿と酸欠になって根腐れが起きやすくなります。
ポットが柔らかいことを利用して、底近くの側面に小さな穴をいくつか開けてやると、そこからも乾くため、早く、上から下まで一様に近く乾いていき、洋ランに快適になります。その結果、根腐れの予防に役立ちます。こうするだけで根腐れの失敗や心配はずっと少なくすることができます。透明ポットにするとこの効果が良く分かります。

ポットの底近くに横穴を開けた例、下のほうの乾きが良くなり根腐れの危険が減る(パフィオペディルム、初めは勧められない種類)
オンシジウムは大きめの鉢に植えられていることが多いので湿りやすくなっており、根腐れが多いと言われています。穴開けの効果があるでしょう。

(3)透明ポットに入れ替え
ランが枯れるのは、殆どが根腐れが原因です。
また、ランの世話が難しいのは、水やりの仕方が良く分からないからでしょう。
本などを見ると、鉢の表面が乾いたら、とか、夏以外は、乾いた翌日とか、寒い時期は数日たってからとかいろいろ書かれています。
しかも、種類によってまちまちで、どうしたら良いか迷ってしまいます。
しかも、水遣りが難しいのは、鉢の乾き方が分からないからと説明されることが多いです。もし、
鉢の乾き方が分かれば、水やりは易しくなるでしょう。
ところで、胡蝶蘭等の鉢を買うと、中には透明のポットに植わった株が並べられていることが良くあります。
ポットの中は良く見え、根の様子や、湿り方も見ることができます。
それなら、他の苗も、透明のポットに植えたらどうでしょうか。
透明ポットは園芸店では余り見かけませんが、ネット通販で手に入ります。
また、行楽用などの透明のコップは小型のランにポットの代わりに使えます。
飲料水や飲料のペットボトルも、試しに使うことができ、大きさも色々ありやや大きな苗まで使えます。

(4)難しい種類の中抜き・衣替え
洋ランは冬から春に咲く種類が多くて、寒い時期には鉢が乾きにくく根が不活発で根腐れになりやすいいのに、蕾が大きくなる間は水不足にさせてはならないという難しさがあります。
過湿が長引かないようにして、十分な水やりを続けるために、植え込み材料の中心を空洞にする方法が有効です。
丈夫なシンビジウムやデンドロビウムや、鉢の小さいものはその必要はありません。
鉢から抜いて、根の間から、根のない中央部のミズゴケを抜き取ります。
そして、そこに発泡スチロールを大きな棒状に切って埋め込み、隙間に軽くミズゴケを詰めます。
根には触らないので植え痛みは有りません。
言わば「下着をハイテク素材に取り換える、早替りの衣替え」です。温室に比べて家庭では乾きにくいので、水持ちが悪くなっても問題ないようです。 
11.8衣替えに改名

入手鉢の衣替えの例(参考:コチョウラン、初めは避けた方が良い種類)

4.洋ランの水やり-全部同時に、4日から1週間毎に
洋ランの水やりは、一番大事な日頃の世話で、難しいです。
これまでの本に書いてある水やり法は、種類ごとに、季節ごとに間隔が異なり、どうして良いか分かりません。
鉢の乾きは分かっても、ランが何時水を欲しがるかが分からなければ、良い水やりはできません。
上に書いたように、これまでの水やり法は全て鉢がどれだけ乾いたら水をやるか、という考え方です。
これは、言わば土の世話をしている訳で、ランの世話ではありません
水やりの仕方は、間隔と量で表せると思います。
簡単な方法を示します。
(1)水やりの間隔
ランの水の蒸散を調べると、どんな種類でも、またミズゴケ植・軽石・バーク植えどれでも、
水やりしてから4日目には初日の半分以下になります(3.4のようにして植え、春から秋に屋外で育てた場合)。
ランは湿りっぱなしは良くなくて乾かす必要があると良く言われます。
それを信じて、水を好むシンビジウムでは4日目ごと、その他の種類では1週間以内に水をやれば大きな失敗はありません
初心者は、種類によって水やりを変えたり、毎日やる必要はないのです(特殊なバンダで根をむき出しにしている場合を除く)。
もっと簡単に考えると、雨ざらしの場所に置いてあって、4日から1週間以内に十分な雨降りの日があったら、水やりの必要はありません。
もっと間隔が空いても水やりをしなくても、萎れたり、極端な場合は葉の先が枯れることを気にしなければ、
殆ど水やりをしなくても大丈夫なことさえあります。
自生地では誰も水やりをしないのですから。
(2)水やりの量
どの本にも、(生長期は)やるときは底から溢れるまでたっぷりととあります。
たっぷりにも色々あります。
たっぷりやっても十分でないことがあります。
水やりの間隔が1週間以上開くと、ミズゴケ(やバーク)は乾いて水をかんたんに受け付けなくなります。
ミズゴケの場合は、鉢ごと水に沈めると、濡らすことができます。
バークの場合は、水が間を抜けるので、個々のチップには中々しみこまなくなります。一度暖かい日に大雨に長時間当てると濡れます。
バークの場合は、保水量が少ないため、できるだけ水を溜めようとして、真っ黒に濡れるようにしたくなります。
しかし、そうしてもしなくても、ランの水を吸う量には余り差がありません。
濡らしすぎるとバークの腐りが早く、カビが生えたりして、寿命が短くなって植え替えを2年ごととかに延ばせません。
屋外であれば、水道ホースの先に如雨露の蓮口をつけて、十分コンポストが湿るまで水をかければ良いのです。

水のやりすぎの例、パフィオペディルム


(3)低温期・開花期
低温で室内で花が咲く時期は、水やり量をやや少なめにして、1週間毎位に水やりをします。
透明鉢なら、全体が少し乾くのを見届けてからです。
花は寒い時期に咲くことが多く、休眠期ですが、咲くためには、花茎を出し、蕾を大きくするため、水を要求します。
水不足になると、花茎が伸びなかったり、蕾が大きくならずに萎んでしまったりします。
根腐れし難いように植えて、過湿で無くなるのを目で見てから水をやれば、根腐れや枯れはずっと少なくなります。


根腐れしやすい種類、コチョウランや、カトレヤ、パフィオペディルムに手を出すのは少し後にした方が安全です。

5.肥料−春に化成肥料の置き肥を
ランは余り生長が旺盛でないので、肥料はそれほど必要としません。
本を見ると春の置き肥か、春から秋までの液肥の2通りが載っており、どちらでも構わないと思います。
液肥は頻繁にやる必要があるので、草花と同様に化成肥料を与えるだけの方法を示す。
(1)化成肥料の置き肥
春、根か新芽が出だしたら、小粒の緩効性の化学肥料を、説明書に従って鉢の大きさに合わせて、植え込み材料の表面に置きます。
草花より水やりの量と頻度が少ないので、説明書の半分くらいに少なくするのが適当です。
有効期間も説明書に書かれていますが、同様に、その2倍位は追加の必要はないでしょう。
秋、少し涼しくなると、種類や苗によっては、再び、新芽や新根が出てきます。その時にはさらに少量ならやっても良いでしょう。
シンビジウムは水も肥料も多い方が良いので、肥料保ちの悪いバーク植えでは置き肥をします(鉢増しの項にある写真参照)。
カトレヤのバーク植えでは窒素肥料が不足すると株がやせ細ってしまうそうです(小田)。
(2)液肥
液肥の場合、期間は春から秋までとされていますが、やはり種類によって、夏はやらない方が良いとか、秋は9月までとか10月までとか変えるように書かれています。
ここは単純に真夏日の続くような暑い期間だけは少なくとも休むことにします。
生長しないので必要でないことと、暑さで根が弱っているので害がありうるため、賢明と思います。
デンドロビウムなどは10月にやると、花芽が高芽に変わってしまうのでやめた方が良いとされているようです。
花が多少減っても構わないと思えば、他の種類とことさら変える必要はないでしょう。
液肥は1週間から10日毎、それも季節や種類によって異なる頻度が指示されているのが普通です。
簡単に考えると水やりと液肥を入れた水やりを数日ごとに交互にやれば良いわけです。
全部の種類に対して機械的にやったり、育児書のように本の通りにきめ細かく変えるよりは、
少し上達したら、自分の目と判断で芽や根が伸びている時は肥料を必要としている、弱った株には肥料は毒、という考えで世話をすれば、苗が教えてくれるので難しくありません。
液肥を定期にやるのは面倒だという人は、置き肥でよいでしょう。
(3)液肥の葉面散布
植え替えると根が傷んだり、株が弱って根が傷んだりします。
根からの肥料の吸収も少なくなっているはずです。そのような時には薄い液肥の葉面散布も考えられます。

6.鉢増し入手苗の世話(2)シンビジウム軽石など植えと易しい種類の夏・秋
易しい種類の大半は複茎性と言って、親株の根元に脇芽が出て大きくなり花が咲きます。
年々子株の位置は鉢の外に向かって進みます。
何年か経って、子株が鉢の縁に達すると、根が空中にはみ出したりして、養分を取ることができなくなります。から
窮屈になっている鉢に何もしなければ、生長不良になって、翌年の花が望めません。
しかし、植え替えは、根を傷めたり、生育の休みが長くなったりして、生育と来年の開花に支障があります。
そこで、新しい芽がゆったりと生長できるよう鉢増しをします。
植え替えでは古い植え込み材料を全部取るように言われますが、鉢増しはそっとしておきます。
時期は春の、根や芽が出始める時が最適です。
一回り大きな鉢に、古い株の側を鉢の縁に押し付け、新しい芽の側を広く開けて、すきまにこれまで植わっていたのと同じ材料を入れます
シンビジウムは園芸店で売られている軽石などの混合材料が普通です。
デンドロビウムはミズゴケのことが多いですが、ミズゴケが古くなっていない場合には鉢増しで大丈夫です。
ミズゴケを濡らして、新しい芽の側に繊維が縦になるように少しずつ張り付けて行きます
こぼれてしまうようになったら鉢にそっと入れ、古い株の方に押し付けて、隙間にミズゴケの繊維を縦になるように入れていきます。
ミズゴケは固くつめるという話もありますが、ふわふわで結構です。
鉢が広くなっても余り乾きにくくはなりませんが、植え込み材料が深くなると乾きにくく根腐れしやすくなるので、
最初に鉢底に発泡スチロールを入れて置き、深さは増やさないようにします。
夏・秋咲き種の場合
オンシジウムも、脇芽が活発に出るので、夏咲きの花のあとに鉢増しが必要なことがあります。
ジゴペタラムは、丈夫ですが、夏咲きのため、植え替えると特に来年咲かせるのが難しいですから、鉢増しにします。
鉢から抜いて、腐った根が多い場合は、放っておくと腐れが進むので、腐った根は取り除いて、植え込み材料を更新して植え替えます。

シンビジウムの鉢増し、花が済んだ苗が、遅く5月になってしまったので、右図の左の鉢から右の鉢へ、幅だけ少し広くし、バークで鉢増し(入手後の例ではない)。
鉢の中で根が一杯になり窮屈
 
根鉢の周りの隙間に新しいバークが入ったので、また根が伸びることができる、白っぽい粒は肥料

鉢増し追加08.11.10

7.芽掻き−花を咲かせるために
植え替えや株分けほど書かれていませんが、花を咲かせるのに重要なのが、芽掻きです。特にシンビジウムは芽の数を抑えないと、藪のように茂っても花が咲きません。他の種類でも、デンドロビウムや、オンシジウム、ジゴペタラムなども、芽の数を抑えると、より多くの花を見られるでしょう。

シンビジウムの根元から出た芽、秋以降の出る1茎当たり1本以外は全て根元から折り取る。


8.病虫害−消毒は梅雨入り前と秋の取り込み前に一斉に
(1)病気と害虫に強い種類から
ランの本を見ると、どの種類にも多くの病気や害虫のことが書いてあります。根腐れ・日焼け・カイガラムシだけでも精一杯なのに、他もいずれも致命傷になりそうで怖い位です。まずは病気や害虫にかかりにくい種類から手がけるようにしましょう。うまくいかなくては、楽しみでなく苦しみになってしまいます。
シンビジウム・デンドロビウム・エピデンドラム・セイヨウフウランは病気にもかかりにくいです。
オンシジウム・ジゴペタラムもは病気にかかることがありますが、丈夫な方で致命傷にはなりにくいようです。
黒腐れ・炭そ病、カビなどにかかりやすい種類、コチョウランや、カトレヤ、パフィオペディルムに手を出すのは少し後にした方が安全です。
(2)予防の殺菌と防虫
梅雨の長雨はどんな植物でも最も病気になりやすい時期です。殺菌剤をかけて予防しましょう。冬の室内は、空気が淀み、低温期にはカビが生えたりして梅雨時に次いで病気が出ます。冬はカビに犯されやすく、通気性が悪くなってカイガラ虫が広がるので、屋内に取り込む前にもう一度殺菌・殺虫することは予防効果があります。
(3)害虫防除
洋ランの害虫で代表的なのは、カイガラムシ、ハダニです。
カイガラムシは雨に弱いので、雨ざらしの栽培は温室より出にくいです。いったん完全に無くなったら、再発は新たに入手した苗からに限られますから、注意して殺虫し、移さないようにしましょう。ハダニも大敵ですがやはり雨に弱いです。ただし、撲滅しても外から飛んでくるので再発の覚悟をしなくてはなりません。カイガラ虫に比べて薬は効きやすいので、1ミリ未満の小さな虫を見逃さず、見つけ次第殺虫剤を噴霧します。
081104

9.秋の取り込み−
洋ランには熱帯産が多いです。それぞれ我が国に自生する春蘭(シンビジウムの仲間)、セッコク(デンドロビウムの仲間)、風蘭(バンダの仲間)、熊谷草(パフィオペディルム)などがあり、これらは屋外で越冬できますが、熱帯産種は温室で主に栽培されているように、温室でない場合は、室内へ取り込み、種類によってはさらに加温が必要な物もあります。
2.置き場所の表に示したように、高温種は最低温度10℃以上、中温種は7℃以上、低温種は5℃以上が望ましいです。
南向きの日当たりの良い部屋の窓際に、必要に応じてカーテンなどで遮光をして置きましょう。
それぞれ下記の日が目安の一例です。
11月8日 最低気温10℃未満の始まり、大阪2006 立冬頃  屋外・温室、保温・防寒準備、、高温種(デンファレ・コチョウラン・カトレヤ・バンダなど)の取り込み
11月19日 最低気温7℃未満の始まり、大阪2007 小雪頃  屋外・温室、保温・防寒準備、中温種(オンシジウム・ミニカトレヤなど)の取り込み
12月4日 最低気温5℃未満の始まり、大阪2006 大雪頃   保温・防寒本格化、低温種(シンビジウム・デンドロビウムなど)の取り込み
住んでいる地方、家の構造や置く部屋と場所、暖房の仕方などにより、最低温度は異なります。低温種なら、大抵の家で無加温の場所でも大丈夫でしょう。
窓際では、最低気温が10℃を下回ることが起きそうです。夜は局部的な保温や加温が必要になります。
08.12.1追加

10.春の屋外取り出し−
日当たりや風通し、昼の最高温度など、ランの生育に必要な条件は、室内より屋外の方が優れています。従って、温かくなったら屋外に出した方が良く丈夫に育ちます。高温種は最低温度10℃以上、中温種は7℃以上、低温種は5℃以上になるまで待ちましょう。
それぞれ下記の日が目安の一例です。
3月21日 最低気温5℃未満の終わり、大阪2007(春分頃)   低温種(デンドロ・シンビ)の屋外栽培の開始
4月6日 最低気温7℃未満の終わり、大阪2007          中温種(オンシ・ミニカトレヤなど)の屋外栽培の開始
4月27日 最低気温10℃未満の終わり、大阪2007              高温種(カトレヤ・コチョウランなど)の屋外栽培の開始
住んでいる地方や年により、最低温度は異なります。また、たまにこれらの温度より少し低くなっても障害が起きることはないでしょう。
08.12.1追加

11.洋ランの植え替え入手苗の世話(1)強健種・ミズゴケ植えの春
苗を入手したら、最初の大きな世話は、植え替えか鉢増しとされています。
植え替えというと、方法や時期を考えますが、それより大事なのはするのか、しないのかです。
植え替えの理由は主に3つです。
@植え込み材料が古くなって根に有害
A根腐れしていて、植え替えないとひどくなる
Bシンビジウムやデンドロビウムなどは、親株の脇から新芽が出て、どんどん横へ広がっていくので、鉢の中に何本か株が並んでいます。
一番新しく、鉢の外の方にある株が縁につかえているようだと、窮屈で、春これから出る芽は生長が不十分になり、来年花が咲きません。
一方、植え替えの問題は、
@植え替えをすると、春からの新芽のスタートが遅れ、秋までに株が十分充実しない。
A植え替えにより根が傷んだりして元通りの元気にならないこともあります。
どちらの場合も花が咲きにくくなります。
これまでは、洋ラン(デンドロビウム)は主にミズゴケで植えられていました。ミズゴケは痛みやすいので、毎年植え替えるのが無難です。
易しい種類のミズゴケ植えを春に入手した場合は、これから根が元気に出るので、植え替えても大丈夫です。
ミズゴケの植え替えの仕方は別の所に詳しく述べます。根を傷めないよう、なるべく早く生長を再開するように気をつけます。
本には、根についたミズゴケを全部取らないで少しでも古い物があると腐るとあります。
しかし、全部取ろうとすると根をほぐしたりして、傷めることになります。
根が元気でまとまっているところは、よほど古くない限り手を付けない方が安全です。
根元近くは子苗の時からのミズゴケが固まっていたり、古くて腐った根があるので、全部取るようにします。
また、複茎性の種類は、古い株の方は根が腐っていたりして、これからも殆どでません。そこで、その部分は取り去る方が良いです。
春以外の時期に入手した場合や、シンビジウムの軽石主体植えや、色々な種類のミズゴケでなくバーク植えなどの場合は、最初は植え替えずに、必要があれば次の鉢増しをするのが安全です。他の季節の入手苗は、春遅くから夏咲きは秋、秋咲きは翌春、が安全です。

初夏咲きジゴニシア、バーク植え、入手・開花後植え替え、根は余りほぐさない


植え替え追加08.11.12


(3)ミズゴケは柔らかく
ミズゴケは固く詰めろというのが多いですが、中にはあまり固くせずにとあって、どちらにしたら良いか迷います。
また、ミズゴケの繊維は上下方向にというのが多いですが、中には水平に巻きつけるようにという人もいて分かりません。
堅く詰める理由は、その方が保水量が多くなり、大きい苗の場合にぐらつかなくなるなどがあるようです。
一方で、固く詰めるといったん乾いた時にミズゴケが変質して水を弾くようになりやすいです。
保水量は、バークなどに比べればずっと多いためあえて多くする必要はありません。
逆にふわっと植えると、植え替えの時にもはがれやすく根の傷みが少なくなります。
柔らかく植えた方が良いでしょう。
ただし、表面のミズゴケなどが早く粉になる傾向はあるようです。

透明ポットにミズゴケでやわらかく植えた例(ミニカトレヤ、少し慣れてからが安全)
なお、シンビジウムは根が強く、水を多く必要とすることと鉢が大きくて透明ポットがないことも多いので、普通の鉢に植えます。



13.株分け−初めはしない
植え替えと株分けはいつでも対になって説明されています。
洋ランは初めてという人が入手したばかりの鉢は、株分けするほど大きくなっていないのが普通です。
株分けは、注意深くする植え替えに比べて根が弱ります。
株分けは避けた方が花が咲きやすくなります。
株分けは経験豊富になって、株も十分大きくなって、どうしても必要になる時まで待ちましょう。

3.ランの楽しみ12か月−1年中花と暮らす
園芸書では「○○栽培12か月」という物がたくさんあります。
1月から12月まで、こうすると良いということがたくさん書いてあります。
しかもランではカトレヤやシンビジウムなど、全て種類別に書かれていて皆違っています。
これでは、初心者が色々な種類を少しずつ楽しもうと思ってもどうして良いか分かりません。
一方、これらの本は、毎月の世話がやらなければならないことを中心に書かれていて、気が重くなってしまいます。
それよりもまず、「12か月、花を絶やさないで、どうやってランと楽しくくらそうか」という方が良いのではないでしょうか。
冬・春咲きはシンビジウム・デンドロビウムは12-3月に出回ります。
エピデンドラムは初夏に出回ることが多く、デンドロビウムの主にデンファレ系と、香りのよい小型の西洋フウランは夏に咲きます。
オンシジウムは不定期咲きですが夏から秋に、冬から春の他に咲きます。
これらを集めていくと、1年中何かの花か蕾を見ることができます。
以上の種類が丈夫で、特別の管理が不要で、花も割に咲かせやすい種類です。
ランの楽しみ12か月リンク先ページに月ごとに花や蕾の写真を示します。
    
 シンビジウム(デンドロ・オンシ)  デンファレとフウラン(エピデン)    オンシとミニデンファレ  デンドロ、長生蘭 (シンビ)
   
参考 初夏 カトレヤとコチョウラン ジゴペタ

.ランとの付き合い方−丈夫で長持ちするラン
ランの栽培書やHPでは、あたかもランの世話を最優先にするようになっています。
しかし、他の植物と同じ感覚でランの世話を始める人が皆そうするとは限りません。
むしろ、露地に植え放しの木や、思い出したように水やりする観葉植物の感覚かも知れません。
植え放しで、水やりもしないで、何年も残っているランは、
オーストラリア産のデンドロビウムのキンギアナムや大明せっこくだけでしょう。
そのような感覚で栽培できるのは、ほぼ和蘭の春蘭だけです。
年ごとの植え替えや、日常の世話が必要ですが、病気にかかりにくく、年々鉢が増えるのはシンビジウムのようです。
強いて言えば、も放任栽培で
項目追加08.11.22


081104
参考
1.色々なランと世話
ランは、色々に姿かたちを変えて進化して、世界中で繁栄している植物で、沢山の種類があります。育てる上では、性質ごとに大まかに分けると分かりやすいと思います。
(1)増え方・咲き方−複茎性と単茎性
シンビジウムは、年々親株の横から新しい芽を出して子株ができ花が付きます。デンドロビウム、オンシジウムやカトレヤ、パフィオペディルムも同じです。一方コチョウランは子を吹くことはほとんどなく、1株だけで、バンダも同じで、これらは、同じ株が、調子の良い時に不定期で繰り返し咲きますが、増やすことは難しくなっています。複茎性と単茎性では、花を咲かせるコツが違い、また、複茎性は株分けで増やせる代わりに、株がどんどん横へ移動するので植え替えや芽掻きが欠かせません。
(2)育つ場所・水やり−地生と着生
洋ランで言うとシンビジウムやパフィオペディルムは、普通の植物と同様に地面に生えています。一方、デンドロビウム、オンシジウム、カトレヤやコチョウラン、バンダなどは樹木に着いています。前者は根を乾かしすぎると危険ですが、後者は1日の内で乾湿を繰り返すのが理想と言えます。特にバンダは根をくるむと元気がなくなるためむき出しで育てることが多いですから、頻繁に水やりが必要になります。
(3)2大産地
洋ランというのは、西洋で改良されて我が国に導入されたからでしょう。元々の産地はシンビジウム、デンドロビウム、コチョウラン、パフィオペディルム、バンダはアジア・大洋州、カトレヤ、オンシジウムはアメリカ大陸で、その他にマダガスカルを中心とするアフリカなどの産があります。
(4)気候・耐寒性
ランの分布は世界中に広がっていますが、園芸に取り入れられている洋ランは熱帯から温帯の暖かい地方を原産地とする物が多く、特に着生ランは熱帯産です。アメリカ大陸産の洋ラン、カトレヤ、オンシジウム、は大部分が主に熱帯産ですアジア産も、デンドロビウム、コチョウラン、バンダは熱帯産です。地生蘭を代表するシンビジウムは熱帯から温帯まで分布しますが、パフィオペディルムは主に熱帯産です。
気候として、温度と共に重要なのが乾燥地帯かどうかです。厚い葉や太い茎(バルブ)、太い根はは乾燥に耐えるためにできたものですから、これらを持つランは乾燥地に産します。東洋ランは根元がやや太くなるくらいです。
熱帯産は寒さに弱く、温帯産は耐寒性があるので、洋ランは高温種、中温種、低温種などと分けられます。


-15
15-10
11月半ば
10-7
12月初め
7-5
周年
高温 デンファレ
コチョウラン
バンダ
生育
開花


枯れ死
中温 オンシジウム
エピデンドラム
西洋フウラン
ジゴペタラム
カトレヤ
パフィオペディルム

健康 休眠
(パフィオ7℃以下では開花数年おき)
枯れ死の恐れ
低温 シンビジウム
デンドロビウム
長生蘭・キンギナナム
20以上シンビ落蕾
開花越冬可

表追加2008.11.20

(5)日射・遮光
ランの本を見ると以上のようなことが書かれていますが、この他に育てる上で大事なのは、「遮光」で、以上のいずれとも対応しません。
日向の地面に生えたり、直射日光の当たる岩場に着生していたり、樹上でも上の方に着生している種類は遮光が要りません。
一方、樹木の陰などの日陰に生えている種類は遮光が必要です。
シンビジウムの原種は草原に生えるので直射光に耐え、着生のデンドロビウムも直射光で大丈夫です。バンダ、オンシジウムの順で少しの遮光で大丈夫な方です。これに対してカトレヤ、コチョウラン、パフィオペディルムは日焼けしやすく注意が必要です。

複茎単茎
地生 シンビジウム
パフィオペディルム
春蘭、寒蘭

岩場着生 セロジネ
リカステ(山地)

樹木着生 デンドロビウム
オンシジウムジゴペタラム
カトレヤエピデンドラム
ミルトニア・オドントグロッサム
せっこく
コチョウラン
バンダ
ふうらん

赤は主に熱帯産、太字は丈夫で育てやすく(花も咲かせやすい)種類、下線の種類は初心者は要注意
081104
経過
12.1 置き場所に冬温度と日射の表

番外

2.弱い種類、コチョウラン・カトレヤ・バンダなどについて
コチョウランは人気があり、育ててみたいと思うのは人情です。売られている苗は全部病気だという人もいる位のなので、枯らすこともある程度覚悟するなら育てて見ても良いでしょう。一方ヨーロッパでは、お年寄りが、出窓に数鉢を置いて花を楽しんでいるのを良く見かけます。堅作りの、丈夫な種類の苗を入手して、自分の環境にならせば大丈夫です。日焼けと病気を避けるには、ヨーロッパの家庭のように1年中室内に置くのも一つの方法でしょう。
カトレヤは、コチョウランよりは丈夫ですが、花を咲かせるのにコツがいるようです。
バンダは、根をむき出しにするので、毎日水やりが必要という特殊な事情があります。これがいつもできる人なら枯らす問題はないでしょう。高温を好み花の咲き方が気まぐれだそうです。
洋ランの中には、高温を嫌う種類もあります。高山性の、ミルトニアなどです。これも栽培が上手になってから手がける方が良いでしょう。
081104
(1)植え替え−初めはしない
ランの栽培というと、どの本を見ても植え替えが重要な作業で、古い植え込み材料を全て取り除いて植え直す、(毎年)というのが当たり前のように思われます。また、3芽以上に増えたら株分けしなければならないようにも思えます。しかし、他方では、花を咲かせるには、(複茎性の種類は)春から秋まで以下に新芽を大きくするかがカギで、植えかえた年は花が咲かない覚悟を、と書いてあります。
そこで、花を優先させるなら、植え替えは毎年しない方が良いことになります。ミズゴケ植えは、材料の傷みが早いので、毎年植え替えが望ましい、古い材料は全部取り去る必要があるので根を傷めやすい、とすると、持ちの良いバーク植えの方が管理がしやすいことになります。
そこそこの成長で良いなら、バーク植えが一つの選択肢です。
(2)株分け−初めはしない
株を増やす必要がなければ、株分けも避けた方が花が咲きやすくなります。

置き場所の続き、遮光についての大まかな分けかた
本などには、種類ごとに小刻みな差や、季節ごとに変えるように書かれています。このようなことは、本格的な温室で育てたり、1つのグループを重点的に育てている人以外には、無い物ねだりで現実的ではありません。
最も現実的な方法は、普通の植物と同じように、屋外の日向に置くか、室内に置くかの2通りくらいでしょう。
シンビジウムとデンドロビウムはほぼいつでも直射日光に耐えられるので、寒さで屋内に取り込んでいる時以外は、家の外のできれば南向きの日当たりの良い所に置いておけばよいので、一番気を使わなくて済みます。
次に丈夫なのは、オンシジウムとエピデンドラムでしょう。直射日光でも大丈夫なくらいなので、同じく南向きの日向ですが、高い植物の根元などを選べば、少し隠れる位になり、日焼けすることはありません。
直射日光では必ず日焼けしてしまうのが、胡蝶蘭とパフィオペディルムです。日の射す向きは時刻と共に変わるので、一瞬でも直射日光を当ててしまうと日焼けしてしまいます。日光の強い季節には、家の北側など、昼間の直射日光は当たらないが明るい場所に置くのが一つの方法と思われます。カトレヤやジゴペタラムは中間です。
参考:品種別の日光に当てる度合い(小田善一郎、洋ラン育て方・楽しみ方、ナツメ社、の例)
デンドロビウム、シンビジウム、バンダ、オンシジウム、カトレヤ、オドントグロッサム、ミルトニア、ファレノプシス、パフィオペジラム、セロジネ