中国奥地の蘭
今月のラン





1.初めに
文字通り、中国南部の奥地〜東南アジア・ヒマラヤ一帯に分布する東洋蘭の総称。二系統に分かれる。分類が未整理の種類が多い模様。
一茎一花または二花 … 豆弁蘭(ズベンラン)、朶々香(ダダコウ)など。春蘭の仲間だが、個体変異が豊富なためか、別物として扱われることが多い。
一茎多花 … 春剣蘭(シュンケンラン)、春緑蘭、蓮弁蘭大雪蘭(秋)など。なじみが薄い。どちらかというと、東洋蘭ではなく、洋蘭のシンビジウムの原種として紹介されることが多い。
ホームページ「素人演芸解説−私はこう育てる」http://heboen.hp.infoseek.co.jp/sanyasou/shunran.htmlより

蓮瓣蘭、墨蘭(報才蘭、秋)、春蘭、春剣、寒蘭(秋)建蘭(秋咲き系素心蘭、夏)、虎頭蘭(冬)など基本的に雲南原生蘭となります。
その中でも、雲南の伝統名蘭とされているのは、大雪素、小雪素、朱砂蘭等です。

2.中国奥地のラン図鑑

産地特徴草姿主な種類
朶々香
(ダダコウ)
Cymbidium goeringii
雲南省、貴州省、チベット高原などの広い地域
海抜500m〜2,500m位の高地
温潤清爽な林地
有香 葉の長さは20〜40cm、葉縁には細かい鋸状の刃があり、葉脈がはっきりしている
葉数は4〜6枚
葉幅は6〜11mmと狭い
一茎に一花または二花
花色:淡緑、深緑、緋、紅、黄、白、複色、珍色など
自然交配種が多いため変化多様、奇種珍花も多い
大変よい香りを放つ
開花時期は12月末〜3月
黄花朶々香
昆明朶々香
金蝶飛舞
豆弁蘭
(ズベンラン)
Cymbidium goeringii
雲南高原
海抜500m〜2,000m位の山林
比較的乾燥した土壌
花弁が、大豆の貝割れに似ている
梅弁、荷花弁、水仙弁などの形をし、肉厚の花弁、日本春蘭を小振りにしたような姿
葉の長さは40〜50cm、
葉縁には鋸状の細かい刃
葉数は5〜7枚
葉幅は8〜10mm位
3枚から4枚のしっかりした外皮が葉を覆う
半垂型の葉
正開一文字咲き
基本的には深緑(翠緑)、他に赤、蜜柑色、朱、桃、紅、紫紅、黒紫、白、黄、黄金、覆色、珍色など
中国蘭には珍しく香のない種類が多い
開花期は1〜3月
豆弁緑
蓮弁蘭
(レンベンラン)
Cymbidium lianpan
雲南・四川・貴州省の一部 一茎多花性の蘭の原変種
蓮の花の花弁に似ている
葉の長さは20cm−1m
葉幅は3〜12mm
一茎に2〜3花、時には6花以上
花径は4〜6cm
花色は気品ある雪白色が多く、他に黄・桃・緑など、純白の素心もある
花弁には7〜9本の平行脈舌は基本的に白色で、その上には紅紫のU字点かV字点
清香な香り
開花期は1月〜4月
大雪素、小雪素 が有名
梅里雪山、玉龍雪山、太子雪山などは西蔵高原の山麓2,000〜3,000mの高所に咲く雪白蘭花
白花連弁蘭
雲南雪素
春剣蘭
(シュンケンラン)
Cymbidium longbracteatum
雲南・四川・貴州各省
海抜500〜2,000m以下
常緑広葉樹林地帯腐植土で微酸性土壌
一茎多花性の蘭の原変種
葉先が剣の形に似ている
日本春蘭に似た花が多い
葉数は5〜7枚
葉の長さは50〜100cm、葉幅は12〜20mm
葉縁には鋸状の細かい刃
中脈がはっきり現れる
花数は2〜7個、花軸は5〜40cm位
花径は比較的大きく直径で5〜6cm
花色は淡緑・白緑・黄緑・薄緑・褐緑など豊富で、一般的には雑色筋目や斑点
香りは、どんな花の香りとも比べるべくもない純朴で清々しい
開花時期は1月〜3月
銀桿素

四季の東洋蘭 Oriental Orchids in Seasons<中国奥地の蘭>homepage3.nifty.com/geiseki/m_hana/oku_m.htmlよりなど

以上は春咲きの代表種
その他
冬咲き 糸蘭(糸桟葉春蘭)
夏咲き 独点春(一花)、硬葉蘭(多花)、
秋咲き 大雪蘭
冬咲き 虎頭蘭、

葉型
細葉、中葉、広葉、ダルマ葉(チャボ性)、丸止め葉
葉姿
立ち葉、半立ち葉、露受け葉、中垂れ葉、垂れ葉、巻き葉

花型
梅弁(ばいべん) 外側の3花弁が丸みを帯び、各弁が梅の花に似ている、舌は小さく肉厚、棒心は厚肉で先端は肉塊のよう
荷花弁(かかべん)5枚の花弁がハス(荷)の花に似ている、各弁は巾広で内側に巻く、舌は大きい、棒心は大きく兜は無い
水仙弁(すいせんべん)外側の3花弁が水仙の花に似ている、花弁はやや細く長め、棒心には柔らかい兜がある
奇花(きか)花弁や舌などの形が変化しているもの、八重咲き、狂い咲き、胡蝶咲きなど
素心(そしん)花弁5枚と舌、花茎の全てが淡緑色または淡黄色。広くは舌に紅色や色素がなければ赤花素心・黄花素心。

棒心(ほうしん)側花弁のこと
兜(かぶと) 棒心の先端が肥厚していること
舌(ぜつ) 唇弁のこと
東洋蘭の栽培と増殖、大栄 浩監修、らん編集部編、池田書店、1990より

朶々香
黄花朶々香(きばなだだこう)
大黄

昆明朶々香(こんめいだだこう)
金蝶飛舞(きんちょうひぶ)



豆弁蘭
豆弁緑(ずべんりょく)
無名

一文字咲き、立ち葉


蓮弁蘭
連弁蘭(れんべんらん)雲南乙姫

白花連弁蘭(しろばなれんべんらん)
雲南雪素(うんなんせっそ)
紅流

梅弁緑花

無名・紅舌



春剣蘭
銀桿素(ぎんかんそ)(素心)

春紅

奇花


虎頭蘭
朱砂虎頭蘭


昆明・硬葉・荷花弁・一点花


独占春(どくせんしゅん、夏咲きが普通?)



代表種名・ふりがな付きは「東洋蘭の栽培と増殖」より

チベット自治区は雲南省の北西に隣接し、平均標高が4000mという高地にあります。
広大な面積を持ち、南はヒマラヤ山脈を国境にインド、ネパール、ブータンと隣接、北は崑崙山脈がそびえて新疆ウイグル自治区と接します。
全般的に年較差の少ない高山気候ですが、比較的乾燥し、標高の低い東南部は気候が温暖です
雲南省は、北西部が標高3000m以上で高く、南東部が1000m前後という地形をしており、南をベトナム、ラオス、西をミャンマーに接しています。
熱帯の緯度にありながら高度が高いため、中部の昆明付近では常春の気候です。
北部へいくほど高山気候になります。全般に夏は雨季、冬は乾期です。



海外旅行準備室 中国の観光地ガイドページ 11.西南地方西部(昆明、ラサなど)http://www.i-wanna-travel.com/r0-china11.html



梅里雪山 6740m

上の写真は、2009年3/3-3/8に日中友好会館美術館協会で開催された、「中国奥地の蘭展」(中国奥地の蘭協会)で撮影しました。書道展、中国楽器の演奏・漢詩も行われました。



参考:
四季の東洋蘭 Oriental Orchids in Seasons<中国奥地の蘭>homepage3.nifty.com/geiseki/m_hana/oku_m.html
安庵 豆弁蘭(中国奥地の蘭)www.hat.hi-ho.ne.jp/kerrysan/zubenran.htm



2009.3.14 開設


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